コツコツ…
ハイヒールの音で目を覚ましました。
朝5時のウクライナ空港にチラホラと人が集まってきました。
まだ眠そうな人達に混じってベンチに座ります。
あ、ラウンジが使える時間だ。ビジネスラウンジに行きます。
気の強いお姉さんがなんだゴラー的な接客をしてくれました。
広いラウンジに私一人。
贅沢ですが優雅にしている時間もありません。
もう一つトラブルを持っていたのです。
ウクライナ~アテネ
次のフライトでサントリーニ島に行く予定でした。
そこまで行くのにLCCを使います。
悪名高きライアンエアーという会社です。
使い勝手が良くないことで有名な会社です。
チェクインや旅券のコピーを前もってしないと高額な手数料を支払わなければいけないのです。
そのチェクインはできたんですが、肝心の印刷がどうしても出来ないのです。
印刷のページが見当たらないからです。
パンを食べながら検索します。
ほとんどの時間をそれに費やしました。
時間が来て、ゲートに向かいます。
「日本人ですか?」
1人の女性に話しかけられました。
彼女は韓国人でした。
日本に住んでいたことがあってかなりのボキャブラリーを持っていました。
私は心細さもあって彼女を信じて聞いてしまいました。
(最初から信じるのは相当危険なことです。)
仕事を辞めて旅をしてという生活を長い間しているそうです。
「一生を掛ければ全ての国にいけると思っててね、旅を続けてるんだよね。」
飛行機に乗りました。乗員する人が少なくスカスカの飛行機でした。
「アルメニアはね、期待はしてなかったんだけど本当に良かった。迷路の様な街並みが本当に最高だった。」
空港に着いて私はライアンエアーのデスク、彼女はATMに行きます。
「中東はみんな危ないって言うんだけど、行ってみたらそうでもないんだよね。」
結局、ライアンエアーのデスクに行っても解決方法はわかりませんでした。
ネットに繋げはできる!しか言ってくれなかった…
「最近、ヨルダンに行った人に聞いたけど本当に何ともなくて最高な所だったって!」
二人とも目的地がシンタグマ広場、なので一緒にバスに乗り込みます。
「ロシア人とかそこ周辺の人達の表情は硬くて嫌な感じなんだけど良く話してみるとそんなんじゃないというか。そこに行ったらわかることってたくさんあるよね。」
景色が一変してここがヨーロッパなんだなぁと感じてきました。
「さっきから元気がないみたいだけど、どうしたの?」
丸顔「旅券の印刷ページが開けなくて…サントリーニ島に行けないかもしれないんです。」
「え?大変!でも、なんとかなるよ!レセプションの人に聞けばなんとかしてくれるって!」
丸顔「なんとかなればいいんですが…」
「大丈夫!最後はなんとかなるものなんだって!ワイン飲めばなんとかなる(笑)」
その人は結婚も離婚も経験して、仕事なんて定まってなくて、でもそれがベストな生き方なんだって言い切れて。
良いことも悪いことも経験なんだって。
毎日を凄く楽しんでるんだなってよくわかる。
バスを降りて各々のホテルに向かいます。
「それじゃ!サントリーニ島で会うかもね!その時はコーヒーでも飲もうね!」
颯爽と去って行きました。
私も私の旅を楽しもう。
ホテルへと歩みを進めました。